掛け軸/掛軸/禅語「臘雪連天白(ろうせつ てんに つらなって しろし)」

『虚堂録』に「感首座問法昌。昔日北禪烹露地白牛。今夜分歳有何施設。昌云。臘雪連天白。春風逼戸寒。感云。大衆喫箇甚麼。昌云。莫嫌冷淡無滋味。一飽能消萬劫飢。」(感首座、法昌に問う、昔日北禅露地の白牛を烹る。今夜分歳、何の施設やある。昌云く、臘雪天に連なって白く、春風戸に迫って寒し。感云く、大衆箇の甚麼をか喫す。昌云く、嫌うことなかれ冷淡にして滋味なきことを、一飽能く万劫の飢えを消せしむ。)とある。北禪(ほくぜん);慧能の南宗禅に対し神秀(じんしゅう)の漸悟主義の北宗禅。露地白牛(ろじのびゃくご);『法華經』譬喩品の「爭出火宅。是時長者見諸子等安隱得出,皆於四衢道中露地而坐・・・・駕以白牛」から。『祖堂集』に「謂露地者佛地。亦名第一義空。白牛者諮法身之妙慧也。」(謂く、露地は仏地なり。亦た第一義空と名づく。白牛は法身を諮るの妙慧なり。)とある。臘雪(ろうせつ);陰暦一二月に降る雪。一飽(いっぽう);一度食事をして満腹になること。萬劫(まんごう);極めて長い年月。『禅林句集』に「臘雪連天白、春風逼戸寒。」とあり『禪林類聚』巻十四歳時門を出典とするが未見。

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