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動物画の掛け軸

●鯉
古来より河魚の長として珍重される。
龍門の鯉は急流を登って龍になるの伝えから、出世魚として、瑞相祝賀の意で、絵に多く描かれてきた。

鯉の滝登り
中国の黄河上流にある龍門の急流は多くの魚が上れない。登った鯉は龍に化すという伝説がある。人の立身出世に喩えていう。「登龍門」は立身出世の関門。
●龍
中や地中に住み、空を飛び、雲や雨を起こし、稲妻を起こし放つ霊獣。頭は駝、角は鹿、眼は鬼、耳は牛、体は蛇、腹は蜃、鱗は鯉、爪は鷹、手は虎。81枚の鱗、足に5本の指、口辺に長いヒゲ、牙をもつ。
喉下に1枚逆鱗があり、触れると大層怒る。中国では帝を龍に喩え、王子が怒るのを「逆燐に触れる」といった。
中国では、鱗(りん)、鳳(ほう)、亀(き)と合わせて、四瑞(ずい)の一つとされ、仏教では八大龍王に分け、航海や雨乞の守護神とする。
わが国では、北宋の絵が伝わってからで、足利時代から絵に多く描かれた。飛龍、丸龍、雲龍、虎と共にして龍虎、龍と虎を対幅にしたものもある。江戸時代には、玉吸の龍、富士越えの龍なども描かれた。牧渓、陳所、能阿弥、雪村、劉祥、狩野派、俵屋宗達、円山応挙らが描いた。「画龍の名手」といわれた陳所翁の雲行雨施巻に描かれたものは、雨の日に披けば、絵の龍が雲を呼んで天に昇ったといわれる。
●虎
風に嘯く勇猛な姿は、武士の起こった足利末期から江戸初期に好まれた。猛虎、竹虎、龍虎などにして描く。

龍虎
中国の四神思想に基く。威力の象徴とされ、『易経』には「雲は龍に従い、風は虎に従う。聖人作りて万物現わる。」と、風雲の気を龍虎で表した。
戦国時代から江戸時代初めにかけて、絵は特に喜ばれた。
●猿
古来より画題となっている。動作、姿が人に似るため、昔話や伝説の主人公としても人気がある。
インドでは、古代から神聖視され、仏典にも聖なる猿の話は多く、石窟寺に彫られている。中央アジア経由で中国にもたらされ、古代から伝説が多い。唐代頃までは、テナガザルの系統が神秘化され、特に白猿は神仙にも喩えられた。宗代頃からは、猿にかわって猴(こう)が神秘的とされた。
中国奥地の山中に住む金糸猴は、美しい金毛や特異な容貌のために多くの伝説をもっている。孫悟空は猴の代表であるが、そのイメージには、猿やインドのハヌマットの要素も含まれる。
●鹿
各地の神社で神の使いとして大切にされているが、春日社の信仰では、神が御蓋(みかさ)山に影向(ようごう)された時の乗物といわれ、神鹿として丁重に扱われた。このような土地では、鹿は野生のまま養われ、住民になれていた。奈良公園、厳島神社、金華山神社が有名である。
七福神の寿老人と共にいるのは、1500歳といわれる道教の神鹿である。
●獅子
日本ではライオンと同義。中国の『漢書』では、西域伝来の動物とし、後世の注釈書では、虎や豹をも食うという「さんげい」とする。
 百獣の王といわれ、その威厳ある姿は、古代中近東で狩猟文などに好んで用いられた。前足を上げて立ち、尾を上げ口を開けて咆哮している形だが、法隆寺、正倉院にも同様の錦がある。
 「唐獅子」は、中国伝来の想像上の動物である。頭部、頸部、尾が火焔上状に渦巻く多くの毛に覆われ、胴、四肢に数個の文様がある。これは、九世紀に密教の曼陀羅図でもたらされた。
●海老
形が老人に似ているので長寿を祝い縁起物とされ、また甲骨類で脱殻するため、新しい生命の更新と見なされ、めでたいものとされる。
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